米国つみたて投資


■所感
端的に言うとリーマンショックなどで下げても立上りトータルで右肩上がりを続けている米国の株、S&P500のインデックスに投資をしろと言う手堅い内容。
そして日本とは違い米国人口ピラミッドは比較的綺麗な形をしているので将来的な経済は問題ないとの事。
ウォーレン・バフェットも自分の遺産はS&P500のインデックスで運用しろと言ってるのでやはり手堅い。
そして0から始めるなら更にドルコスト平均法でリスクも分散されるので積立を行えと。

特に間違えのない手法だが、その中身を初心者でもわかりやすく解説されている1冊。

■ピックアップ
・資産運用では、さまざまな経済イベントが、突如発生します。そんな時、「情報」は「雑音」になることもあります。

・日本の個人金融資産に占める現預金の比率が52・5%であるのに対し、米国のそれは13・1%に過ぎません。
また株式と投資信託を合わせた比率は、日本が14・9%であるのに対し、米国は48%。これはつまり、米国において株価の上昇は、米国に住んでいる人たちの「幸せ」に直結することを意味します。だから、中央銀行も企業も、そして政治家も、株価の維持・上昇に必死にならざるを得ないのです。

驚くほどシンプルで一生使える投資の極意


■所感
お金だけではない人生においての投資に関して広く薄く触れられている内容。
対話形式なので初心者でも読みやすくなっている。
資産運用においては国内で働いている場合は海外へ投資してリスクヘッジするというのは大きな発見だった。
とても良い内容。

■ピックアップ
・健康で働く意思さえあれば、世の中になんらかの仕事は必ずある。たとえ数ヵ月か1年くらい仕事を失うことがあっても、長い人生の中では瞬きをするような短い時間。 まずは「健康であること」が、大きな人的資産を持つ土台といえる

・①自分の人的資産が「日本資産なのか」「海外資産なのか」を考えること
②「世界の中での日本の立ち位置」を考えること これを踏まえて、とくに日本人に必要なのは、金融資産で人的資産のかたよりを修正して、よりよいバランスをつくる
→「人的資産」+「金融資産」のポートフォリオは国内・海外半々をめざしてバランスをとる。日本企業で働いているなら金融資産は海外へ

・72の法則
お金が2倍になる期間が簡単にわかる便利な算式。「72÷金利≒お金が2倍になる期間」となる。

・海外の大企業の経営者は、給料の多くを株式の形で受け取る。さらに「一定期間はそれらの株を手放せない」とか「先の数年間に分けて今年の給料の一部を株でもらう」といったルールになっていることが多い。
だから、経営者や管理職のモチベーションがとても高くなる。

エンジェル投資家


■所感
エンジェル投資家がどんなものかや心得など概要的な物を書かれているのかと想像したが、意外と具体的でエンジェル投資家になるには?と言う観点で書かれていた。
著者だけかもしれないが、エンジェル投資家というのは思っていたより善意ではなく、ギャンブル体質の行動であるという事が分かった。

■ピックアップ
・中には優れたビジョンを持ち、ビジネスの能力もある賢明な創業者もいる。こういう起業家ももちろんリターンをもたらしてくれる。しかしリターンの大半を稼ぎ出すのは、独善的な妄想にひたるわがままで付き合いにくい起業家たちだ。

・エンジェル投資家が探しているのは、こういうワイルドカードだからだ。優れた創業者はほぼ全員が頑固で熱狂的なワイルドカードだ。つまり、自分のビジョンを追うことに懸命で他人の感情などにはまったく注意を払わない人種だ。

・2000年以来収入の7割を失った紙の新聞広告は、もはやアメリカの広告業界をリードしてはいない。

・ネットワークエフェクトとは「ネットワークの価値は参加するメンバーの数の2乗に比例して高まる」という法則を指す。

・我々は常にネットワークエフェクトに囲まれている。
シリコンバレーが生んだもっとも価値ある産物は個々の企業ではなく、シリコンバレーというシステムだ。イノベーションを繰り返しながらさらに偉大なプロダクトをさらに効率的に生むシステムが世代から世代へと受け継がれている。

・失敗で私が学んだのは「どのプロダクトが成功しそうか?」など私には絶対予測できないということだった。だから私は「どの人間が成功しそうか?」を判断する努力をしなければならなかった。

・ひとつの役割を担う時間が長くなると、習慣が強く現れる。成功するには良い習慣をつけ、悪い習慣がつかないように注意することが大切だ。

・どうやって10億ドルの投資先を見つけるのか?
10億ドルの会社を選ぶのではない。10億ドルの創業者を選ぶのだ。

・創業者はロックスターのようなものだ。パンクロッカーならヤクをやってホテルの部屋を壊したりするのも大目に見なければならない。ただし、やり過ぎて死んだり逮捕されたりしないように面倒を見なければならない。

・空き缶が一番うるさい(空き樽は音が高い)
中身のない人間ほどよく喋る

・成功する事業を見抜く力が無いことが分かったので、成功する創業者を見ることにした。

投資家がお金よりも大切にしていること


■所管
お金のあり方について考えさせられる本。
投資はマネーゲーム、無駄な買い物はしない自分にとっては非常に得るものが多い内容であった。
意義を持ってお金を使うことの重要性を学べた。

■ピックアップ
・日本人は世界的に見て貯蓄割合が高い。しかし寄付が少ない。自分のお金を現金や預金を守ることしか考えていない。

・社会貢献とは新しい何かをつくりだすことだけではなく、消費することによっても成し遂げられる。

・自分の喜びは他人の喜びにつながり、他人の幸福は自分の幸福につながる。だからみんなの幸せを考えることが最終的に自分の幸福につながる。

・自分がステキだと思ったもの(コト)に自分のお金を使う行為は、そのステキな商品やサービスを提供してくれている会社やそこの従業員たちを応援する行為と同義である。
自分が応援したいと思っている対象を意識的・積極的に応援していくことが大切。

・日本人に欠けている事は「消費」と「生産」と「投資」のイメージが一体化していない。

・時代の変化に合わせて商売や業態を有機的に変化させる事ができない会社は業績を落として潰れていく運命にある。変化こそが安定につながる。

・人は得る喜びよりも失う痛みのほうが大きい。(これは株式チャートにもはっきり表れていて株価が上がるときは緩やかなカーブを描くが下がるときは急降下する。)

・投資するときの最後の最後は気持ち。最終判断はその会社の経営者や従業員や株主を信じられるか。逆に言えば投資が嫌いな人は人を信じられない人。

・日本人は自分と自分のお金は信じているが他人のことは信じていない。まわりの人が信用できず、世の中は敵だらけだと思っているので社会の中でお互いに助け合いながら自分が生きているとは思えない。
人を信じられるかどうか。投資家としての一歩はそこにかかっている。

・中小企業のような規模が小さく社歴の浅い会社は国が守ってくれることもなく自立して生きていかなければならないので危機意識が強く、必死な会社が多い。その頑張りが失われた20年でも成長につながり株価をあげている。