驚くほどシンプルで一生使える投資の極意


■所感
お金だけではない人生においての投資に関して広く薄く触れられている内容。
対話形式なので初心者でも読みやすくなっている。
資産運用においては国内で働いている場合は海外へ投資してリスクヘッジするというのは大きな発見だった。
とても良い内容。

■ピックアップ
・健康で働く意思さえあれば、世の中になんらかの仕事は必ずある。たとえ数ヵ月か1年くらい仕事を失うことがあっても、長い人生の中では瞬きをするような短い時間。 まずは「健康であること」が、大きな人的資産を持つ土台といえる

・①自分の人的資産が「日本資産なのか」「海外資産なのか」を考えること
②「世界の中での日本の立ち位置」を考えること これを踏まえて、とくに日本人に必要なのは、金融資産で人的資産のかたよりを修正して、よりよいバランスをつくる
→「人的資産」+「金融資産」のポートフォリオは国内・海外半々をめざしてバランスをとる。日本企業で働いているなら金融資産は海外へ

・72の法則
お金が2倍になる期間が簡単にわかる便利な算式。「72÷金利≒お金が2倍になる期間」となる。

・海外の大企業の経営者は、給料の多くを株式の形で受け取る。さらに「一定期間はそれらの株を手放せない」とか「先の数年間に分けて今年の給料の一部を株でもらう」といったルールになっていることが多い。
だから、経営者や管理職のモチベーションがとても高くなる。

世界は感情で動く


■所感
「この本は私たちの直感がどんなときに、どうして、どんな風に的をはずしてしまうのかを解説する。」
とされていて様々な心理効果や法則について事象と共に紹介されていてなかなか学びの多い内容であった。
特にリスクに直面したときの判断力の低下とその裏付けの心理状態は投資をやる人間としては非常に勉強になった。

■ピックアップ
・行動経済学
人間が不確実性のもとでは必ずしも合理的な意思決定をせずある規則から外れる事を実証。株式市場における投資家の心理分析や行動ファイナンス理論の基礎を築き、これが「行動経済学」という新しい経済学の生まれる契機となった。(プロスペクト理論)

・ピークエンドの法則
「あらゆる経験の快苦は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦で決まる」
人間の記憶は出来事すべてを逐一記憶することは不可能なので、その記憶がその経験の快苦のすべてを決定してしまう。

・コンコルドの誤謬
投資が回収できないと分かっていても、今までの投資や時間を惜しみ投資を継続してしまう心理傾向の通称。
こうした状況を回避するには2つある。
第一はトラップに早めに気づきゲーム外に留まる事。
しかしいったんはじまってしまったら抜けるのは容易ではない。
第二はできるだけ早く損失を認めてできるだけ早く降りる事。

・フレーミング効果
同一の意味の選択肢であってもその表現が異なるこたによって逆の選択をしてしまう現象のこと。
コップの水はまだ半分かもう半分か。

・合理的な人とは、感情のない人ではなく、感情のコントロールができる人。
言いかえれば、合理的な人は自分の感情は状態と自分の認知プロセスを頭脳の働きを通してより正確で洗練されたやり方で表現することができるということ。

・少数の法則
試行回数が少ないにもかかわらず大数の法則が当てはまると錯覚することをいう。
コイントスで表が3回続くと次こそは裏と予測する。実は裏と表が50%に近づくには無限に近いほどの回数でコインを投げなければならない。(大数の法則)

・確実性効果
0%や100%などの確実性の高いものに価値を感じる行動経済学上の心理効果のこと

・私たちはリスクや不確実さを前にすると、不安や苦悩などの強い感情が生まれてしまう。そこでこのような否定的感情を排除しようと躍起になり、できるなら損をする確率をゼロにしてしまいたいと思う。この考え方は実に非合理である。多くの場合もっとも賢明なやり方はリスクをゼロにするのではなく、部分的な減少を計ることだ。

・利用可能性
ヒューリスティックとは、個人的に経験したことなどすぐに思い浮かぶ事象は頻繁に起きることだと感じる現象である。

・アンカリング効果
印象的な数値や情報が基準となり、 その後の行動に影響を与える効果のこと。
店頭で値引き前の価格が打消しで安くなっていた場合、値引き前の価格がアンカー(基準)となってお買い得と判断してしまう。

・バーナム効果
誰にでも当てはまりそうな曖昧で一般的な性格に関する記述を自分だけに当てはまるものとして受け止めること。
占いなどは、自分の都合の良い部分だけが、記憶に残りよく当たってると思い込む。

・集団思考/集団浅慮
集団思考の罠とは、集団で物事を決めるときに集団の意見一致を優先させて不合理もしくは危険な意思決定をしてしまうことです。
団結力のある集団
構造的な欠陥を抱えている(意見の多様性の欠如、不公平な意思決定など)
刺激の多い状況に置かれている(集団外部からの強い脅威など)
以上の3つの条件を満たすと集団思考の罠に陥りやすいといわれています。

・他の集団への偏見
相手方の人びと全て均質と考えるメカニズムは、自分の集団に属さないものを劣っていると判断するメカニズムと同じものである。

・ハロー効果
ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。

・自分を知ることの難しさ
自分を適切に評価できる能力は、学ぶべきことを学ぶために不可欠な資質である。

・順応効果
初頭効果=最初の印象が強く残ること
親近効果=最後の印象が強く残ること

・理性は感情の奴隷である ヒューム
どんなに優れた人でも、大事な決定を迫られたとき、あらゆる選択肢を秤にかけ、コストとリターンをよく分析し、効用と確率を注意深く吟味したうえで確固とした決定をできるわけではない。

・保有効果
保有効果とは、自分が保有しているものに高い価値を感じ、手放すことに抵抗を感じる現象のこと。 保有期間が長くなるほど手放すこと「損失」ととらえ、回避しようとする。
多くの人の選択を決めるのは現状維持の傾向。

・損失回避性
利益から得られる満足より同額の損失から得られる苦痛の方が大きいことから、損失を利益より大きく評価する人間心理のことをいう。

大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる


■所管
ギリシャ哲学から現代哲学までの哲学史を物凄くざっくりとまとめている。
故に意味が通じない部分も多いが調べながら読み進めるのもなかなか楽しめる。
内容的には中世での哲学は神学の碑と言う表現に大きな違和感を覚えた。
神学(宗教)は考え方の1つであり、それらの上位概念が哲学であると個人的は思っている。

■ピックアップ
・中世哲学でキリスト教の拡大とともに神学の碑となった。
哲学は女主人に仕える婢(はしため)のように、神学に隷属するものでなければならないということ。

・古代ギリシャの3大哲学者。ソクラテスの弟子がプラトンでその弟子がアリストテレス

・ソクラテス
反ソフィスト

無知の知
自らの無知を自覚することが真の認識に至る道であるとする、ソクラテスの真理探究への基本になる考え方。

さまざまな哲学者や知識人の元へ向かった。そこでソクラテスが議論を挑むに当たり、どんな賢者も突き詰めれば「すべてを知るわけではない=無知」であることを知った。
そこでソクラテスは、「「無知」であることを知っている自分の方が、知識があると思い込んでいる人々よりは賢いことを悟った。
これらの渇望が「知への愛」、すなわち「哲学」

・デカルト
全ての事柄は夢かもしれない。しかしそれを疑い続け考えている自分は疑いきれない。「我思う、ゆえに我あり」=コギト(私は思考する)

心身二元論=精神と体は別物と言う考え方

・ヘーゲル
弁証法。テーゼ+アンチテーゼ=アウフヘーベン→ジンテーゼ

・パスカル
熱心なキリスト教徒。

人間は考える葦である。
→人間や物事は単純に割り切れるものではなく、常に相反するものを抱えている

・ルソー
人は、常に幸福を求めるが、常に幸福に気づかない。

私たちは無知によって道に迷うことはない。自分が知っていると信じることによって迷うのだ。
→知っていると思い込む事が失敗の元である。

・サルトル
自由の刑に処せられている
→主体性が生きる意味を作る。
自由とは全てを自分で決め、 自分で判断し、行動をすること。しかしそれは全て自己責任ということ。

・モラルジレンマに対する考え方
→ベンサム、ミルの功利主義(最大多数の最大幸福)
→対局がカントの義務論
行為の価値は,その行為そのものの価値によって判断されるのであって,ほかに還元されるものではないと。
→サルトルの実存主義ではどう選んでも自己責任。

・ミロのヴィーナスを芸術と言うのは誤り
芸術と言う概念が生まれたのが18世紀。それまで絵画作成や楽器演奏などは技術職人であった。
→現在のカテゴリーを過去にあてはめて理解したつもりになり、その時代独特の構造を見逃してしまうことを回顧との投影と呼ぶ。

・哲学が教えてくれるのは、何がその人の意味かを教えることでなく、意味(自分の存在理由)がどこにありうるかということだ。

・パースペクティブ(それぞれの視点)
→ニーチェは、「世界は自分自身のそれぞれの認識器官が生み出す虚構である」と言っています。つまり、「世界は自分自身が生み出す幻想である」と言い変えられます。
世界が幻想だということと同じように、普遍の真理や道徳、義務、価値といった無人格なものはすべて幻想に過ぎない、ということです。
パースペクティブに基づき、”個別の”世界や価値観、真理道徳義務といったものが存在するだけなのです。

投資家がお金よりも大切にしていること


■所管
お金のあり方について考えさせられる本。
投資はマネーゲーム、無駄な買い物はしない自分にとっては非常に得るものが多い内容であった。
意義を持ってお金を使うことの重要性を学べた。

■ピックアップ
・日本人は世界的に見て貯蓄割合が高い。しかし寄付が少ない。自分のお金を現金や預金を守ることしか考えていない。

・社会貢献とは新しい何かをつくりだすことだけではなく、消費することによっても成し遂げられる。

・自分の喜びは他人の喜びにつながり、他人の幸福は自分の幸福につながる。だからみんなの幸せを考えることが最終的に自分の幸福につながる。

・自分がステキだと思ったもの(コト)に自分のお金を使う行為は、そのステキな商品やサービスを提供してくれている会社やそこの従業員たちを応援する行為と同義である。
自分が応援したいと思っている対象を意識的・積極的に応援していくことが大切。

・日本人に欠けている事は「消費」と「生産」と「投資」のイメージが一体化していない。

・時代の変化に合わせて商売や業態を有機的に変化させる事ができない会社は業績を落として潰れていく運命にある。変化こそが安定につながる。

・人は得る喜びよりも失う痛みのほうが大きい。(これは株式チャートにもはっきり表れていて株価が上がるときは緩やかなカーブを描くが下がるときは急降下する。)

・投資するときの最後の最後は気持ち。最終判断はその会社の経営者や従業員や株主を信じられるか。逆に言えば投資が嫌いな人は人を信じられない人。

・日本人は自分と自分のお金は信じているが他人のことは信じていない。まわりの人が信用できず、世の中は敵だらけだと思っているので社会の中でお互いに助け合いながら自分が生きているとは思えない。
人を信じられるかどうか。投資家としての一歩はそこにかかっている。

・中小企業のような規模が小さく社歴の浅い会社は国が守ってくれることもなく自立して生きていかなければならないので危機意識が強く、必死な会社が多い。その頑張りが失われた20年でも成長につながり株価をあげている。

思考力を鍛える30の習慣


■所管
全てを実行するのは難しいが随所によい項目が点在していた。
特に最高の目標設定から実行の下りは参考になるところが多かった。

■ピックアップ
・考える
偉大な哲学者たちは生涯を通じて人生の意味や倫理性や真実などについて考えつづけている。
ものにはいろいろな見方がありそれらは全て不完全であることを思考の達人は知っている。

・問う
なぜ問うことを辞めるのか?問うことを辞めるのは面倒だから。持論に固執し思い込みを疑おうとしない。

・組み合わせる
すぐれたアイデアの多くは既にあるものをそれまでとはちがう新しいやり方で組み合わせることで生まれている。
創造的なアイデアが必要になったときにはまったく異なるまのを組み合わせてなにが生まれるかを試す。

・水平思考
水平思考では意図的に従来のアプローチを避けまったく新しい角度から問題に取り組むことに重点が置かれる。
歴史的大発見では偶然が重要な役割を果たしてきた。これらに共通するのは、好奇心の旺盛な人物が何かを探求している。
想定外の事が起こったとき、これらの人物はそれらをあらためて調べなおしその使い途を考え出した。

・他の人が考えないことを考える
天才はほかの人間が見ないことを見る。ほかの人間が考えないことを考える。

・言葉を重視する
言語的な能力の高さや語彙の豊かさと、仕事での成功との間には相関関係がある。自分の考えをうまく述べられる者ほど頭がいいと見なされ高い地位につける。

・目標を書いて実現を目指す
目標き実現までのぐたいてきな過程を考えることで目標は現実味を帯び重みを増す。
仕事、人間関係、健康、富、成長、社会生活

・考えを行動に移す
-考えのない行動がいけないのと同じように、行動のない考えもいけない。深く考えるあまり実行を先延ばしにしてしまう。
-なぜ行き詰まったのかと問う。
行動を起こせなくなったときはなぜそうなったかを振り返る。(問題の難しさなひるんでいるのか?行動を起こすのが怖いのか?怠けているのか?コストやリスクが心配なのか?気分や感情の面に自分を押し留めるものがあるのか?)
本当の原因に的を絞ってその解決策を図ろう。
ーわからないことがあってもよい。
いつも正しい判断を下すのは不可能であり、解決策が見つかるまで永遠に待とうとするより解決策はとりあえず保留にしたまま先に進む方が賢明。
ー完璧さを求めない。
完璧と言える地点には決して辿り着けない。
完璧さよりも着実に前進する事を目標にしたほうがよい。