「数字」が読めると本当に儲かるんですか?


■所感
ある程度数字が分かる人間にとっては至極当然の事しか書かれていない。
そして著者は驚くほど数字に無頓着であるが、経営者とは往々にしてこういうタイプが多いと感じる。
売上は変数と言われているがその通りで、試算だけでは売上が立つか分からず蓋を開けてみないと分からないという事が大半である。
通常の思考の人間(特に計算高い人)は変数のリスクを避けて起業はしないと言う判断を下すのが、著者くらい計算ができなければそもそもリスクを感じる事は無いのだろうと感じる。

より少ない生き方


■所感
著者は元々虚栄心が強く、物が豊富にある事により満たされるタイプのようで、その目線からだと既に様々な無駄を排除している自分とは対照的で既に実践されている事も多かった。
子供へのミニマリズム教育に関しても1度富に満たされた上で不要さに気づく事はあっても、最初から制限されると未知への渇望や物欲は一層増すと思われる。
また、あえて処分するというのも非合理な考え方で違和感を覚える。

物を減らす事で大切な事に集中できると言うが、減らす事で失われている事もあると思われる。
そもそも減らす事に執着している時点でそれに振り回されている気もする。

何はともあれ豊富に物があることが前提になっていて、贅沢病というか現代社会の豊かさを感じる内容であった。

■ピックアップ
・人生をシンプルにして、本当に大切なことに集中できるようにする

・ミニマリズムとはすべてを手放すことでなく、大切なことを手に入れること

・個人的な人間関係で内的な安心がない人は、物質的な所有物により価値を認めるようになる。
自分がものに執着する理由の1つはものが与えてくれる安心感を求めているからだ。
家族や友人との豊かな関係は喜びだけでなく見守られているという安心感も与えてくれる。
そしてあなた自身も周りの人に安心感と満足感を提供しているのだ。

・ミニマリズムが完成すると、海辺のコテージに移り釣り三昧の生活が送れるかもしれない。あなたがそういう生活に魅力を感じるならそれはあなたの選択だ。
しかし、もっといい選択肢もある。それは他者の人生を向上させることだ。

僕たちは習慣でできている


■所感
自分は比較的規則性を持って続けられるタイプなので特段中身に感化される事はなかった。
どんなものか程度で読んでみると、筆者は「できない」人であり、その目線から書かれているからわかりやすく共感が得られているのかもしれない。
ただそれでも良い大学には入っているし、その為には相応の努力や継続はしてきたのだろうし、素養は持ち合わせていると考えれるのでなぜ「できない」側に落ちたのかがきになるところ。

■ピックアップ
・自由時間は多すぎない方が幸せ
人の自由時間は1日7時間以上あると逆に幸福度が下がってしまうそうである。
不自由から逃れた先には自由の苦しみが待っていた。ガンジーはこう言った。「怠けていることは喜びかもしれないが重苦しい状態である。幸せになるためには何かをしていなくてはならない」

・双曲割引
行動経済学の用語で、「遠い将来なら待てるが、近い将来ならば待てない」という、今までの経済学理論では説明できない非合理的行動を説明する概念

・マシュマロテスト
マシュマロを我慢できた子供は、20年後に成功している確率が高かった。
マシュマロを我慢できる子は自制心があり成功できる確率が高い。

これからの正義の話をしよう


■所感
全体的にね小難しくあまり面白くない哲学書であったが、リバタニアリズムに関しては新しい学びであり、非常に共感するところだった。

■ピックアップ
・功利主義
幸福を人生や社会の最大目的とする倫理・政治学説。「最大多数の最大幸福」を原理とする。

・リバタリアン、リバタリアニズム
完全自由主義。同じ自由でもリベラルでは弱者を守るような考え方だがリバタリズムは弱肉強食な考え方。
完全な自由市場で財やサービスを自由に交換することが、収入と富の正義にかなう分配につながると考える。

・ミルトンフリードマン
社会保障、政府によるあらゆう強制的な年金プログラムなどの国家活動は個人の自由を不法に侵害するものだと論じた。
「ある人が自らの意思でその日ぐらしを好み、自分の持つ資源を目先の楽しみに費やし、わかっていて不毛の老年期を選ぶのだとすれば、われわれはいかなる権利でその人の行為を阻止できるだろうか」
「その人が選んだ行為を強制的に阻止する権利をわれわれは与えられているのだろうか」
フリードマンは最低賃金法にも同じような論拠で反対する。雇用主の支払う賃金がいかに低額であろうとも労働者にそれを受けとる気があるのなら、政府にはその支払いを禁じる権限はない。
「こうした法律がたがいに自主的な契約を結ぼうとする個人の支払う自由に抵触することは明らかである」