つながりの作法


■所感
2名の著者によって書かれている本。

1人はアスペルガー症候群。(つながらない身体のさみしさ)
情報の処理と身体への伝達が上手く行かず、普通の人が当たり前にできる事ができず、かと言って思考能力は一般人と変わらないので劣等感を抱え、社会での生きづらさが綴られていた。

もう1人は脳性まひ。(つながりすぎる身体の苦しみ)
身体の自由が効かないものの、昔は治せると信じ閉鎖された空間での親からの教育によりつながりすぎることへの苦悩や解釈がされている。

健常者には当たり前過ぎであわらない、障害のある人の精神的な揺れなどが理解できる内容であった。
この本で言われているのはマイノリティ向けの内容ではないと著者は言っているが、自分には大きく刺さる内容ではなかった。

■ピックアップ
・無意識が意識にのぼる3つの条件
1,自分の行動に何か邪魔が入った時
2,自分の行動を自省する時
3,他者から自分を客観的に見ることを強制された時

・社会の流動化
消費の場でも生産の場でも、悪く言えば「堅くて変化に乏しい」、良く言えば「長期的に安定した見通しのつきやすい」関係性は崩れ去り、めまぐるしく配置や距離を変える関係性へと突入した。人々は日々柔軟に、周囲の人やモノと、衝動的にくっついてはあっさり離れることを繰り返す負荷を課せられる続けるようになってしまった。

・このような変化についていくことができる人は少ない。我々のほとんどは、短期的なものに順応させられ、過去の経験をすすんで放棄する人間ではなく、人生の持続的な物語を必要とし、特殊なことに秀でていることを誇りに思い、自らの通ってきた経験を大切にする存在なのだ。