ファクトフルネス


■所管
世界中で売れているとのことで気になって読んでみた。
思い込みを捨て、データに元づいて物事の真実を見ようという趣旨の内容だった。
その思い込みを10の項目に分解して、著者のエピソードと共に啓蒙している。
著者の豊富な経験はよく分かったが、とにかくエピソードが無駄に多い印象。
特に難しい事を言っている訳ではないので、ひと項目に1つのエピソードなどに要点だけまとめればこんなに分厚くならないで済んだと思われる。
退屈で結局読み飛ばしてしまった。
実用書と言うよりは、著者の自伝書に近い感じであった。

マーケット感覚を身につけよう


■所感
生産性に続き同じ著者になるが、論理的思考だけでない発想の広がりには著者の地頭の良さが伺えた。

本の内容としては、今までの常識的な事は今後通用しなくなるので、楽しんで変化に対応出来るようにマーケット感覚を身につけておこうというもの。

やはり利口な人は1つの事柄から感じ取れる事の数が多いように感じる。
こう言った気づきを本にして世間に気づかせる側と、それにより気づきを得る側では、人として大きな能力の違いを感じ得ない。

■ピックアップ
・世の中の大半の問題はひとつの手法を使って考え続けるより、論理的な思考とマーケット感覚というふたつのアプローチで両面から考えた方が圧倒的に早く現実的で豊かな解に到達できます。

・マーケット感覚とは
商品やサービスが売買されている現場のリアルな状況を想像できる能力、顧客が市場で価値を取引する場面を直感的に思い浮かべられる能力。

・「消費市場」と「貯蓄市場」の競争。
消費市場ではメーカーや飲食、小売業、メーカーなど、貯蓄市場では銀行や、保険、証券会社などで熾烈な競争が行われている。
金融機関では「老後はいくら必要」「子供1人育てるのにいくら必要」と煽る事で消費市場から貯蓄市場へお金を引っ張っている。

・ボランティアや弱者支援といった、一見マーケットとは無縁に思える分野においてもマーケットが存在する。「カンボジアの子供」は私的援助市場では競争力が高い。

・重要なのは儲かるかどうかではなく、「価値があるかどうか」。マネタイズは方法論だが、価値を見極めるのはもっと本質的。

・高校野球や世界遺産のように、もともと存在
していたモノの中に新たな価値が見いだされ、巨大な市場になったものがたくさんある。そしてこの「潜在的な価値に気づく能力」こそがマーケット感覚。

・プライシング能力
身の回りに存在するまだ商品化されていない「何か」について、独自の基準を持って「これは大きな価値がある」と言えるようにならないとマーケット感覚が身についたとは言えない。

・自分の欲望に素直に
たとえ手に入る可能性が低くても、欲しいものを「欲しい!」と強く意識し、自分の欲望に真正面から向き合うことが大事になる。私たちはもっと「こんなモノが欲しい!こういうサービスがあったらどんなに便利だろう。」と考えるべきだし、表明すべき。そうすることが新たな付加価値への気づきとなり、同時に人間は何を求めているのかという、インセンティブシステムへの理解にもつながる。

・もっとも儲かるエグゼクティブMBAという、プログラムは最大の価値提供が「他のエグゼクティブと知り合う」なので、授業はいちいち細かいことを教える必要はない。そこでら学生として集まった企業の幹部候補生たちをお互いに「同級生として知り合わせる」対価として超高額な学費が課せられてい。

・変化が起こると今まで必要だったものが不要になり、新たなモノへの需要が生まれる。大事な事はその変化を自ら感じ取り進むべき方向を早めに見極めることのできるマーケット感覚を身につけること。

生産性


■所感
生産性と言うと作業効率化をイメージするが、ここで言う生産性とはれだけではなくイノベーティブ(革新や改善)な時間に着目してそこを伸ばして行くことによる生産性の向上を啓蒙している。

具体例も所々あげられているが一例であり、生産性を向上させるイノベーションのHowto本ではなく、そう言ったマインドを持つことが必要であると言われている。

ただ、言われているような生産性の向上は発想(アイデア)頼みで不確定要素が多いので、生産性を何倍にも向上させるには状況と発想がかみ合う必要があり、そこらじゅうで発揮するには難しい部分が多いように感じる。
故にやはりマインドとして生産性向上のイノベーションを持って適所で思考を巡らせバランスをとるのが良いかもしれない。

■ピックアップ
・「生産性を上げること=コスト削減」という誤った認識も広く共有されている。
生産性を上げるには2つの方法がある。
コスト削減と付加価値額の向上。

・「イノベーションと生産性の向上は両立しえない、二者択一の概念である」という誤った考え方も、組織全体に生産性の概念を普及させる大きな障害となっている

・働く人が疲弊するのは、付加価値の低い「自分がこれをやることにどんな意味があるのか?」と思えるようなオペレーショナルな作業を延々と続けさせられるとき。

・ビジネスイノベーションが起こるには、その源として常に「問題意識」と「画期的な解決法への強い希求心」のふたつが必要。
ビジネスイノベーションを起こすためには社員に「問題認識力=課題設定力」と「その問題を一気に解決したいという強い動機付け」をもたせることが不可欠になる。

・思考というのは、制限が設けられるとそれをバネにして「今いるところとは異なる次元」に入っていくことができる。

・すべての人はどんな年齢になっても成長できていると実感できれば嬉しく感じるもの。

・誤った決断でも何も決断しないよりはマシ。

・人は長い間同じ業務を続けていると、思考を止めて手だけを動かし機械的に作業を続けるようになる。集中力は高いけれど頭はまったく動いていないという状態に陥る。

コミュニティデザイン


■所感
元々建築系のデザイナーである著者がランドスケープデザインを行う上で人の繋がりやコミュニティの重要性に気づき、建築物や空間のデザインというハード面だけでなくそれらを利用する人(ソフト面)や設立以降の使われ方を考慮してデザインしていく事の大切さを啓蒙した内容となっている。
そしてそれらを実践したものが事例と共に紹介されている。

個人的にはコミュニティのあるべき姿、理想型がわからないがなんらかのヒントが得られたような気がした。

しかし、1つ気にかかるのは著者の団体がどこまでを利益としているのか。
法人格である以上、事業運営に一定の利益は必要となるはず。
そして、その中において学生のリソース=無料で使えると思っている節があり、それらを中心に事業を据えているのには違和感を感じる。
学生側にも卒論や就活のネタとして使えるなどのメリットがあり参加していると思われるがそれをうまく利用しているとも捉えられる。

人に尽くしたい、誰かの為になる事をしたいというのは結局のところ金と時間にゆとりがある人間の行いであるのかも知れないと感じる。
そして、多いところから少ないところへリソースを流すというのは経済合理的なのかもしれない。

■ピックアップ
・ハードをデザインするだけでなくソフトをマネジメントするという視点を組み合わせることによって、持続的に楽しめる公園を生み出すことが可能だということを学んだ。

ファンベース


■所管
今あるマーケティング3,0と言う言葉は使っていないが、これからのマーケティングのあり方、しいては顧客との向き合い方やファン醸成の仕方を実に分かりやすく体系立てて纏められている。
また、著者が代理店経験でマス広告などを行ってきていてのこの考え方に辿り着いたと言う経験も説得力を増している。

■ピックアップ
・マス広告全盛の時代はもちろん、ネット時代に入ってもそういうアプローチ(新規顧客を狙ったアプローチ)で良かったし、実際、売上アップや業績反映にも貢献できたと思う。
でも、明らかに状況が変わった。
時代的にも社会的にも、新規顧客を狙うアプローチだけでは売上を増やすのが難しくなってきており、その解決法としてファンベースという考え方が必要で、今や早急に実施すべきフェーズにあるのである。

・そんな中、今まで売上に効果を上げてきた「キャンペーン」の実効性も薄れてきた。
 →世の中に情報も商品もエンタメも溢れかえり過ぎていてキャンペーンがとても届きにくくなった。

・共感を強くする
アンケート調査やグループインタビュー調査からはファンの共感ポイントが見えにくい。実はファン自身も「どこを愛しているか=自分が支持している価値は何なのか」がはっきりわかっている訳ではない。

・ファンとは商品そのものでなく、商品が「大切にしている価値」を支持している人である。