マーケット感覚を身につけよう


■所感
生産性に続き同じ著者になるが、論理的思考だけでない発想の広がりには著者の地頭の良さが伺えた。

本の内容としては、今までの常識的な事は今後通用しなくなるので、楽しんで変化に対応出来るようにマーケット感覚を身につけておこうというもの。

やはり利口な人は1つの事柄から感じ取れる事の数が多いように感じる。
こう言った気づきを本にして世間に気づかせる側と、それにより気づきを得る側では、人として大きな能力の違いを感じ得ない。

■ピックアップ
・世の中の大半の問題はひとつの手法を使って考え続けるより、論理的な思考とマーケット感覚というふたつのアプローチで両面から考えた方が圧倒的に早く現実的で豊かな解に到達できます。

・マーケット感覚とは
商品やサービスが売買されている現場のリアルな状況を想像できる能力、顧客が市場で価値を取引する場面を直感的に思い浮かべられる能力。

・「消費市場」と「貯蓄市場」の競争。
消費市場ではメーカーや飲食、小売業、メーカーなど、貯蓄市場では銀行や、保険、証券会社などで熾烈な競争が行われている。
金融機関では「老後はいくら必要」「子供1人育てるのにいくら必要」と煽る事で消費市場から貯蓄市場へお金を引っ張っている。

・ボランティアや弱者支援といった、一見マーケットとは無縁に思える分野においてもマーケットが存在する。「カンボジアの子供」は私的援助市場では競争力が高い。

・重要なのは儲かるかどうかではなく、「価値があるかどうか」。マネタイズは方法論だが、価値を見極めるのはもっと本質的。

・高校野球や世界遺産のように、もともと存在
していたモノの中に新たな価値が見いだされ、巨大な市場になったものがたくさんある。そしてこの「潜在的な価値に気づく能力」こそがマーケット感覚。

・プライシング能力
身の回りに存在するまだ商品化されていない「何か」について、独自の基準を持って「これは大きな価値がある」と言えるようにならないとマーケット感覚が身についたとは言えない。

・自分の欲望に素直に
たとえ手に入る可能性が低くても、欲しいものを「欲しい!」と強く意識し、自分の欲望に真正面から向き合うことが大事になる。私たちはもっと「こんなモノが欲しい!こういうサービスがあったらどんなに便利だろう。」と考えるべきだし、表明すべき。そうすることが新たな付加価値への気づきとなり、同時に人間は何を求めているのかという、インセンティブシステムへの理解にもつながる。

・もっとも儲かるエグゼクティブMBAという、プログラムは最大の価値提供が「他のエグゼクティブと知り合う」なので、授業はいちいち細かいことを教える必要はない。そこでら学生として集まった企業の幹部候補生たちをお互いに「同級生として知り合わせる」対価として超高額な学費が課せられてい。

・変化が起こると今まで必要だったものが不要になり、新たなモノへの需要が生まれる。大事な事はその変化を自ら感じ取り進むべき方向を早めに見極めることのできるマーケット感覚を身につけること。