遺伝子の不都合な真実


■所管
個体差があることを覆い隠そうとする現代社会に異を唱える内容。
自分も同じように思っていたので共感する部分は多かった。
劣っている者は劣っている事を理解して対応していくべきである。

■ピックアップ
・問題なのは不都合な真実から目を背けさせているのが単に一部の人たちの私利私欲や利権だけでなく、私たちの誰もが抱くささやかな願望や善意や誠意にもあるということ。

・遺伝を考慮に入れず環境を平等化するだけで問題の解決を図ることが正しいという主張の方が世の中に受け入れられやすくなる。問題へのこの取り組みが先延ばしにされていることが本質的な問題。

・遺伝を理由に人を差別してはならないのは当然のこと。しかし、だからといって、遺伝による個人差があるという事実を無視したり否定しようとするのは、いかに善意と正義に満ちたものであっても知的に誠実であるとは言えないはず。
必要なのは遺伝の影響をみすえたうえで、環境とのかかわりを理解し設計していくしかない。

・科学的エビデンスがあり、遺伝の影響があることは事実。環境や教育が重要であることも事実。それらを両立させることのできる考え方が示されればよい。

・遺伝子が生み出す状態に対してどのような価値判断を下すかの問題が生じる。遺伝子自体は40億年も前からの来歴をもってここに存在している。それに対して今私たちがたまたま住んでいる社会や文化の価値観で貴賤をつける資格はどこにあるのか。
それに対して名前をつけ、意味づけているのは私たちであり、その主たる名付け親は医学の研究者たちである。

・時間選考
時間選好率とは、将来に消費することをあきらめ、現在に消費することを好む割合のことです。時間選好率が高い人ほど将来にお金を残さず、低い人ほど貯蓄額は増えます。