コミュニティデザイン


■所感
元々建築系のデザイナーである著者がランドスケープデザインを行う上で人の繋がりやコミュニティの重要性に気づき、建築物や空間のデザインというハード面だけでなくそれらを利用する人(ソフト面)や設立以降の使われ方を考慮してデザインしていく事の大切さを啓蒙した内容となっている。
そしてそれらを実践したものが事例と共に紹介されている。

個人的にはコミュニティのあるべき姿、理想型がわからないがなんらかのヒントが得られたような気がした。

しかし、1つ気にかかるのは著者の団体がどこまでを利益としているのか。
法人格である以上、事業運営に一定の利益は必要となるはず。
そして、その中において学生のリソース=無料で使えると思っている節があり、それらを中心に事業を据えているのには違和感を感じる。
学生側にも卒論や就活のネタとして使えるなどのメリットがあり参加していると思われるがそれをうまく利用しているとも捉えられる。

人に尽くしたい、誰かの為になる事をしたいというのは結局のところ金と時間にゆとりがある人間の行いであるのかも知れないと感じる。
そして、多いところから少ないところへリソースを流すというのは経済合理的なのかもしれない。

■ピックアップ
・ハードをデザインするだけでなくソフトをマネジメントするという視点を組み合わせることによって、持続的に楽しめる公園を生み出すことが可能だということを学んだ。